宿で「タトパニ=お湯」をもらって、さっき買ってきたラーメンスナックをつまみに、日本から持ってきたうまい焼酎のお湯割りをゆっくりといただきました。時間がのんびり過ぎてゆきます。
ふと気がつくと、宿の垣根の外からこちらを見ている女の子がいます。さっきキャンディーをあげた子でした。
ガイドブックを取り出して、ネパール語で名前を聞くと、「ミナ」と答えてくれました。
ラーメンスナックやらキャンディーを差し出すと、ミナは垣根を乗り越えて、少しずつこちらへ近づいてきました。
2メートル位のところまで来ましたが、やはりちょっと警戒しているようです。私は手に持っていたラーメンスナックを自分で一口食べて、もう一度彼女に差し出しました。すると、やっと近くまで来てくれて、スナックを手に取ってくれました。
「まるで子猫みたいだなあ」と思って、なんだか可笑しくなりました。
私たちのそばに椅子を並べ、「ここに座って」と手振りで示すと、ようやく座ってくれました。ガイドブックのネパール語のページを見せると、「デバナガリ文字」で書かれた単語を一つ一つ読んでくれました。あのとき、「旅の指さし会話帳」を持っていたらと思うと残念でなりません。
ビデオカメラについた小さな液晶画面で、これまでに撮影したビデオを見せると、食い入るように見つめています。ミナを写してみせると大喜びで、すっかりビデオに夢中になってしまいました。
ミナとの時間はあっという間に過ぎてゆきました。言葉は通じないけれど、なんとなく心が通じ合ったような、暖かい気持ちがいまでも胸の中に残っています。




